注目を集めているギグワークとは?主な仕事内容やメリットなどを解説

ギグワークをする人

働き方が多様化するなか、より自分にとって働きやすい環境を求める人は増えています。仕事とプライベートのバランスを取って仕事をしたい、空いている時間を活用して仕事がしたいというような人に注目されている働き方のひとつとして、ギグワークが挙げられます。

ギグワークは、単発バイトやフリーランス、業務委託と似たイメージがあるかもしれませんが、それらとは異なった働き方です。

この記事では、ギグワークについて詳しく解説するとともに、ギグワークの仕事を探す方法もお伝えします。空いている時間を活用して仕事がしたいとお考えの方はぜひご覧ください。

そもそもギグワークとは

ギグワークは、単発で仕事するという働き方のことです。働きたい時だけ働くことができるので、副業としてギグワークをすることも可能です。

ギグワークの例として分かりやすいのが「ウーバーイーツ」の配達員でしょう。働く場所や時間などの自由度が高いという点もギグワークの魅力です。では、ギグワークの特徴をより詳しく見てみましょう。

主な特徴

ギグワークには、大きく分けて3つの特徴が挙げられます。

まずは「単発で仕事ができること」です。単発なので、同じ場所で働き続けることはありません。雇用契約を結ばないで働くのでシフト制でもないのが特徴です。自分が働きたい時間に働きたい場所で仕事をします。

次に「スキマ時間で働けること」が挙げられます。1時間や2時間などの短時間から仕事があるので、空いている時間を活用して働くことができるのです。短時間の仕事を複数組み合わせて働くということもできます。

最後に「組織に属さないこと」が挙げられます。組織に属さないため、人間関係による悩みなども出にくいと言えるでしょう。万が一、働いた場所があまり自分に合わないと思ったとしても、1度きりで終わることができるので、ストレスになりにくいです。

平均的な時給相場

空いた時間を有効活用できるギグワークは、副業として利用している人が多いと言われています。副業と聞くとあまり稼げないイメージがありますが、実際にどれくらいの給料をもらうことができるのでしょうか。

ギグワークの平均時給を調べてみると、平均単価は1,000円/1時間となっていることが分かりました。しかし、時給は最低賃金を割らないように設定されていますので、都心部の場合は1,000円以上となります。ギグワークの時給も、一般的なアルバイトの時給と同じくらいだと言えるでしょう。ただし、なかには高時給のギグワークもあるため、上手に仕事を見つけて、1日に数件の仕事をこなすことができれば、希望している収入を得ることもできるはずです。

単発バイトとの違い

ギグワークと似ていると言われるのが単発バイトです。単発バイトとギグワークで大きく異なるのが、契約と拘束時間です。単発バイトの場合は1日契約で仕事を行うことが多いため、6時間から8時間ほど仕事をしなければいけません。しかし、ギグワークの場合は、1日のうちの数時間だけという仕事が多いことから、拘束時間が短めです。これにより、1日数件の仕事を行うこともできるのです。

また、単発バイトでは雇用契約を派遣会社と結ぶことが多いでしょう。派遣会社から仕事を紹介してもらい、派遣先で仕事をします。反対に、ギグワークの場合は、派遣会社などに登録しないで仕事をします。

万が一、トラブルが発生した際、派遣会社に登録していれば派遣会社に相談することもできますが、ギグワークだと直接仕事をした企業と話し合いしなければいけないというデメリットもあります。

フリーランスとの違い

フリーランスは、個人で仕事を受注して働くという方法です。ギグワークとの違いは専門性の有無です。ギグワークは専門性がなくても行えるものが多く、フリーランスの場合は、専門性の高い案件が多くなっています。ただし、ギグワークのなかにも一部専門性が高い仕事は含まれています。この場合は、スキルがなければ受注することができません。

業務委託との違い

業務委託もギグワークと似ていると言われる仕事ですが、こちらは契約期間の長さが異なります。また、納品の義務というものも発生します。契約期間に関しては、どのような仕事なのかで期間が異なってくるでしょう。長期間の場合は数ヶ月の契約になることもあります。この点は、ギグワークと大きく異なります。

また、依頼元の関係で、業務時間が指定されることもあるので、自由な時間帯で働けない可能性も出てくるでしょう。

ギグワークが普及している背景

ギグワークが普及してきていますが、その背景には、慢性的な人手不足や新型コロナウイルスの影響、そしてテクノロジーの推進などが挙げられます。

ギグワークが最初に始まったとされるのはアメリカです。2008年頃に「ウーバー」が始まり、ここからギグワークという働き方が広がっていきました。

本項目では、ギグワークが広がっていった背景をより詳しく見ていきましょう。

慢性的な人材不足

帝国データバンクでは、人手不足に関して企業に動向調査を行っています。この調査結果から、慢性的な人材不足を感じている企業は多いと言えますが、業界・業種によりばらつきがあるため、人が足りていない仕事と充足している仕事があるのが現状です。特に慢性的な人手不足となっているのが、建設業・運輸業・医療、福祉、宿泊業・飲食業・サービス業です。これらの現場では常に人手不足となっていることから、短期バイトや時短パートなどの雇用、非正規雇用も多いです。この人手不足を少しでも解消するために、該当する業種では、ギグワークが注目されています。

新型コロナウイルス感染症の影響

ギグワークが注目されたのには、新型コロナウイルス感染症の影響もありました。コロナ禍を経て仕事が減った、無くなったという人は多く、そのような人が単発で働ける仕事に注目したことで企業側でも依頼することが増えました。

ほかにも、コロナ禍で多様な働き方に注目が集まったことも挙げられます。時短勤務やリモートワーク、副業OKなどによりギグワークが注目を集めたのです。

テクノロジーの推進

ギグワークが普及した背景には、テクノロジーの進化も挙げられます。デジタル化が進んだことで、ネットさえあればいつでもどこでも仕事ができるという環境になりました。そのため、単発の仕事も受けやすい状態となり、多くの企業でギグワークに関心が集まりました。また、働く側もスキマ時間を活用できるギグワークに注目している方が多いです。

ギグワークの主な仕事

引っ越し作業員の女性

ギグワークといっても、その仕事内容はさまざまです。多岐にわたる業務で、ギグワーカーを募集しています。

本項目では、ギグワーカーとして働くことができる仕事内容について詳しく見ていきましょう。

ギグワークで行われている仕事内容
代行業料理、掃除、送迎、場所取り、犬の散歩など
運送業フードデリバリー、貨物配送、個人タクシー、長距離輸送など
単純作業ポスティング、データ入力、農作業、引っ越し、組立、工場内仕分けなど
イベント業イベントサポート、イベント会場設営など

単純作業

単純作業は未経験でも仕事をしやすく、すぐに覚えることができるので単発の仕事で多く選ばれる業務です。企業側も依頼しやすい内容と言えるでしょう。

例えば、ポスティングやデータ入力、農作業、引っ越し、組立、工場内の仕分け作業などが挙げられます。時給制で仕事を行うものもあれば、1件につき〇円というような数をこなすことでしっかり稼げる仕事もあります。特にポスティングやデータ入力では、作業した件数で受け取れる報酬が変わることが多いです。

代行業

代行業は、家事代行のような仕事も多くあります。料理や掃除などが好きな人であれば、これらの代行業はやりがいもあるでしょう。料理や掃除だけでなく、犬の散歩や子供の送迎、順番取りなどもあります。時給制になっていることが多く、短時間で行える業務も多いのでスキマ時間を活用しやすいギグワークと言えます。

運送業

運送業のギグワークで有名なのが、フードデリバリーです。自転車やバイクで配達しているスタッフを見かけたことがある人は多いでしょう。特にコロナ禍では、フードデリバリーのギグワークをする人が増えていました。

ほかにも、個人タクシーや輸送・配送の仕事が運送業のギグワークでは多くなっています。通販サイトの利用者、ネットスーパーの利用者の増加で、荷物を運ぶ仕事は人手不足が慢性化していて、常に人員を募集している状況です。

イベント業

イベント業の仕事は、会場の設営や撤去、運営全般のサポートが挙げられます。さまざまなポジションでイベントスタッフを募集しています。イベントスタッフの場合、短時間ではなく1日や数日という仕事になることも多いです。

ギグワークのメリット

ギグワークを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ギグワークは、企業側は人手不足を解消できるという大きなメリットがありますが、ギグワーカーにもメリットはたくさんあります。

  • 空いている時間を効率的に活用できる
  • 初めてでも働きやすい仕事がある
  • 人間関係などに悩まされない
  • 自分に合った働き方ができる
  • 就業につながる可能性がある

以上のメリットについて詳しく見ていきましょう。

空いている時間を効率的に活用できる

ギグワークは空いている時間を効率よく活用することが可能です。本業とは別にお小遣い稼ぎをしたいという場合、ギグワークならスキマ時間や休日の空いている時間を使って仕事をすることができるでしょう。また、ギグワークとアルバイトやパートを掛け持ちしたり、複数のギグワークをして生計を立てるという人もいます。例えば、夢があってそのために養成所に通っているという人が、レッスンと仕事を両立させなければならないため、ギグワークをして生計を立てるケースもあります。

初めてでも働きやすい仕事がある

ギグワークは、未経験でもできる仕事が中心になっています。

上述したように、特別なスキルがなくてもできる単純作業の仕事が中心なので初めてでも働きやすく、バイト経験がないという人でも働けるでしょう。

人間関係などに悩まされない

仕事やアルバイトには、人間関係の悩みがつきものです。

ギグワークは単発の仕事で、なかには数時間だけという短時間の仕事もあります。また、フードデリバリーのように1人で行動する仕事もあるでしょう。このような仕事であれば、人間関係に悩まされる心配がありません。仮に、ほかのスタッフと仕事をするバイトであっても、その時だけと思えば深く関わらずに仕事ができるので気が楽です。

自分に合った働き方ができる

ギグワークは自分に合った働き方が可能です。リモートで仕事がしたい、会社に出社しないで働きたい、満員電車に揺られて通勤することなく働きたいなど、叶えたい働き方を実現することができるでしょう。

就業につながる可能性がある

ギグワーカーとして働いていたけれど、本採用になったという事例もあります。これは、企業側が働いてほしいと思う人材を見つけた場合、直接雇用の話が進むことがあるからです。ギグワーカーとして専門分野の知識を深めて、起業するという人もいます。

ギグワークのデメリット

メリットがたくさんあるギグワークですが、企業側もギグワーカーもデメリットとなることがあります。企業側では、毎回どのような人材が働いてくれるのか直前にならなければ分からないという点で懸念点はあるでしょう。

  • 収入が安定しづらい
  • 自己責任が問われることが多い
  • 場合によっては確定申告が必要

本項目では以上のデメリットについてご紹介します。

収入が安定しづらい

ギグワークをする場合、収入が安定しにくいというデメリットがあります。作業量で収入が変わったり、働く時間で収入が変わるためです。また、毎回確実に仕事が見つかるとは限りません。このような点で、毎月必ず〇円稼げるということが言えないのです。

収入が安定しにくいため、生計を立てるには少し不安の残る働き方ではあります。

自己責任が問われることが多い

ギグワークを行う場合は自己責任で仕事をする必要があります。万が一、トラブルが起きた場合も直接企業と話し合いが必要になるでしょう。自分の責任で行動できる人しかギグワークは向いていません。

場合によっては確定申告が必要

ギグワークを行う場合、状況によっては確定申告が必要となる場合があります。副業でギグワークをする場合も、確定申告が必要になる場合があるため注意しましょう。

副業の収入・所得の合計が年間20万円以下であれば申告は不要ですが、20万円を超える場合は確定申告が必要です。

ギグワークを探す際におすすめのサイト・アプリ

ギグワークをしたいけれど、どのようにして仕事を探したら良いのか分からない……という方に向けて、ギグワークの仕事を探すことができるおすすめのサイトやアプリをご紹介します。

  • テイケイワークス東京
  • タイミー
  • CrowdWorks

さまざまなギグワークを紹介してもらえるので、ご自身の条件にぴったりのお仕事を見つけることができるはずです。それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。

テイケイワークス東京

テイケイワークスのスクリーンショット

引用:テイケイワークス東京

ケイテイワークス東京は、物流系のお仕事を中心に紹介してくれる総合人材サービス会社です。倉庫での軽作業を行いたい場合や、そのほかの倉庫内の仕事をしたい場合は、ケイテイワークス東京でお仕事を紹介してもらうと良いでしょう。

派遣会社に登録するという点で、ギグワークとは少し異なりますが、万が一トラブルが発生した際、派遣会社に相談できるという点で安心感があります。また、倉庫内の仕事にはさまざまな業務があり、登録すれば希望する仕事を自分で探すよりもスムーズに紹介してもらえるというメリットもあるでしょう。

ピッキングや仕分け、梱包、検品、フォークリフト、事務などが倉庫内業務の仕事内容です。主に関東エリアでのお仕事を紹介してくれる会社なので、働きたいエリアが関東という方は、利用してみてください。

タイミー

タイミーのスクリーンショット

引用:タイミー

タイミーは、現在TVCMも流れているので、見たことがある、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。スキマバイトアプリで、登録することで空いた時間を活用してできる仕事を見つけることができます。また、今すぐお小遣いを稼ぎたいという場合も、すぐに仕事を見つけて働くことができるというのは便利な点でしょう。

登録されている企業はおよそ36,000社で、希望している仕事や職種を見つけやすいのも魅力です。企業が働いてほしいと思っている時間帯と、仕事を探している人が働きたいと思っている時間がマッチングすれば仕事を行えます。登録者数が増えている人気のアプリですが、人手不足の企業側の利用も増加しているので、マッチングもしやすくなっていると言えるでしょう。タイミーは派遣会社などに登録する形ではないので、完全にギグワークとなっています。

タイミーについては以下の記事でも詳しく解説しています。タイミーを使って働こうとお考えの方はぜひ参考にしてください。

スキマバイトアプリ「タイミー」の評判|やめとけと言われる原因は?

タイミーでバイトをキャンセルする方法は?ペナルティポイントも詳しく解説』『タイミーで実際に起きたトラブルは?回避する方法や注意点なども解説

CrowdWorks

クラウドワークスのスクリーンショット

引用:クラウドワークス

空いている時間を有効に活用したいけれど、外に出て働くことが難しい方もいると思います。そのような人でもギグワークのような働き方ができるのが、CrowdWorks(クラウドワークス)です。CrowdWorksでは在宅でできるさまざまな仕事を紹介していて、クライアントの条件に合っているワーカーさんの場合は、プロジェクトで契約をすることができます。

それ以外でもタスク案件が豊富にあるので、まずはタスク案件で経験を積み、そしてプロジェクトに応募していくのがおすすめです。

単価は安いですが、コツコツ続けることができる人なら、お小遣い稼ぎはしやすいです。CrowdWorksはフリーランスの人が多く利用している代表的なサイトとなっていて、仕事を依頼している企業には大手企業もたくさんあります。

まとめ

今回は、空いている時間を有効活用して、未経験でもさまざまな仕事に挑戦できるギグワークの魅力や特徴などをお伝えしました。

ギグワークをする場合、収入が安定しにくいというデメリットもありますが、自分の都合に合わせて働くことができるので、自分に合う仕事を見つけてやりがいをもって働くことができます。今回ご紹介したサイトやアプリも活用して、ぜひご自身に合うギグワークを見つけてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です