アルバイトの求人情報を見ていると、「滅菌業務」という仕事の募集を目にすることもあると思います。
「滅菌業務」とは、どういったアルバイトなのかご存知でしょうか?
「そんな仕事があることも知らなかった」「どんなことをするのだろう」と、疑問を感じている人もいることでしょう。
そこで今回は、滅菌業務アルバイトの仕事内容や、メリット・デメリット、時給の相場など、滅菌業務がどういった仕事なのかを紹介していきます。
実際に滅菌業務のアルバイトを経験した人の、体験談や口コミもまとめてありますので、合わせてご覧ください。
滅菌業務のアルバイトとは?
滅菌業務は、専門職なので求人の数としては少ないアルバイトで、一般的にはあまり知られていない職種といえます。
求人情報をチェックしているときに、たまたま目にして知ったという人もいるでしょう。
しかし、滅菌業務のアルバイトは認知は低いものの、医療機関では重要な役割を担っています。
滅菌業務ってどんな仕事内容なの?
病院での手術や処置では、ハサミやピンセットなどの器材を使います。
滅菌業務のアルバイトでは、使用後の器材を洗浄してキレイにしたり、消毒・滅菌して再び使える状態にする仕事です。
安全で安心できる医療をおこなうためにも欠かせない、重要な仕事だといえるでしょう。
病院の医療器械の洗浄や滅菌、物品供給までをおこなう、中央材料室業務では、機器の組立作業も作業内容に含まれることがあります。
病院以外では、学校の健診で使用する道具類の洗浄や滅菌などを行なうこともあります。
滅菌業務のアルバイトのメリット
仕事内容について分かったところで、次は滅菌業務のアルバイトをすることで得られる、メリットとデメリットをご紹介します。
滅菌業務アルバイトのメリットは以下の通りです。
- ・土日は休みのところが多い
- ・未経験・無資格でもできる
詳しくみていきましょう。
土日は休みのところが多い
滅菌業務のアルバイトは、土日を休みとしているところが多いです。
滅菌業務は、手術後に作業が行なわれますが、土日は基本的に手術がありません。
勤務先によっては緊急手術が入る場合もありますが、土日は休みのところが多いでしょう。
基本的には夜勤もないので、平日の昼間だけ働きたいという人には、滅菌業務のアルバイトがおすすめです。
残業もほとんどないので、勤務後の予定をたてやすいのも魅力でしょう。
未経験・無資格でもできる
滅菌業務のアルバイトは、手術後の作業とはいえ医療に携わるため、無資格ではできないように思っている人もいるようです。
しかし滅菌業務のアルバイトは、未経験・無資格でも働けます。
無資格からはじめて、スキルアップすることも可能です。
その場合、働きながら滅菌管理者の資格を取得したり、さらにその上の滅菌消毒業務受託責任者を目指すこともできます。
滅菌業務のアルバイトのデメリット
滅菌業務アルバイトのデメリットは以下の通りです。
- ・針刺しやメスで指を切ってしまうと病気感染の恐れがある
- ・刃物を扱うので安全には注意が必要
詳しく見ていきましょう。
針刺しやメスで指を切ってしまうと病気感染の恐れがある
滅菌業務のアルバイトは、手術に使った器材や器具を扱うため、感染症の心配もあります。
使用済み注射器の針で指を刺したり、血の付いた器具類に素手で触れることで病気に感染する可能性があるでしょう。
感染症にかかるのを避けるためには、必ずマニュアルにそって作業を行なうことが重要です。
また、素手で作業するようなところでは働かないようにしましょう。
刃物を扱うので安全には注意が必要
滅菌業務のアルバイトではさまざまな刃物を扱うので、安全には注意が必要です。
メスのほかに、医療用器材にも刃物が使われているものがたくさんあります。
器材を分解して洗浄・滅菌を行ない、組み立てる必要がありますので、作業中に刃物でけがをしないように細心の注意を払う必要があるでしょう。
滅菌業務のアルバイトの時給と勤務時間
求人を探すときに重要なポイントとなるのが時給です。
相場を知っておくと、安い時給で契約してしまうことを防げます。
ここでは、滅菌業務アルバイトの時給と勤務時間の目安を確認しておきましょう。
時給
滅菌業務アルバイトの時給は、1,000~1,400円くらいが相場で、一般的なアルバイトよりも時給が高めに設定されていることが多いです。
1ヵ月の給料にすると、時給1,200円で週3日、1日4時間働いたとして、約57,000円。
週5日、1日6時間働いたとしたら、約144,000円ほどとなります。
勤務時間
滅菌業務のアルバイトは、9:00~18:00の間で3〜4時間程度から募集しているところが多いようです。
なかには、21:00頃まで募集しているところもあります。
週3日程度から勤務できるところが多いので、面接時に相談してみましょう。
滅菌業務のアルバイトの勤務地
滅菌業務を行うバイトの勤務地には、大病院や個人クリニック(美容・歯科・整形)があります。
しかし個人病院の場合、滅菌業務を常駐スタッフが担当するケースが多いため、ほとんどの求人が大病院だと考えましょう。
また勤務する具体的な部屋ですが、滅菌作業の部屋が特別設けられているケースは少なく、病院の処置室やスタッフが管理する部屋で作業を行うことになります。
滅菌業務のアルバイトの口コミ
滅菌業務のアルバイトを体験した人の、口コミを見ていきましょう。
良い口コミと悪い口コミをそれぞれ紹介します。
良い口コミ
滅菌業務は、一般的にはあまり知られていない仕事ですが、「この仕事があるからこそ医療が成立しているんだ」と実感できる、やりがいのある仕事です。
責任もありますが、職場のチームワークも良くて働きやすいです。
作業をおこなうたびに、患者さんにとって大切な仕事なんだと感じます。
私の職場では、研修への参加や資格の取得など、積極的にサポートしてくれるので、スキルアップできることが自信ややりがいにつながっています。
未経験者なので、専門的なことが何もわからず不安でしたが、丁寧に教えてもらえたので、スムーズに作業できました。
一緒に働く仲間にも恵まれ、良い環境で働くことができたと思います。
やりがいが感じられる、未経験者でも働くことができるという点がメリットに上がりました。
未経験だから不安、始めようか迷っているという方でも興味がある場合はぜひ挑戦していただきたい仕事です。
仕事を通してスキルアップしたいと考えている方は、サポート制度が充実した職場を選択するとより有意義に働けるのではないでしょうか。
悪い口コミ
壁や床に着いた血をキレイに拭き取る係と、掃除機やモップをかける係に分かれて作業します。
私は床の担当でしたが、血がべったりとついた床をキレイにするのは大変でした。
手術用の手袋は着用しますが、常に感染が怖かったです。
もう働きたいとは思いません。
機械やリネンにも付着していることがあるので、手洗いや専用の洗浄機を使ってキレイにします。
1次洗浄の薬液に漬けや、器材のセットなどの業務もあります。
血液のほかに、肉片、骨クズ、尿や便が付いていることもあります。
こういったものを想像して、「嫌だな」と感じるようであれば、この仕事は向かないと思います。
何人かでチームとして働いていたのですが、協調性のない人が1人いて、常にペースを乱されていました。
仕事自体は難しいこともなかったのですが、職場の空気が悪くてつらかったです。
チームプレーになるので、気の合わない人がいるときついかもしれません。
病院は忙しいことが多いので、そういった時には忙しさから職場の空気が悪くなってしまうことも……。また、何人かのチームで働くため一緒に働く人や職場の雰囲気によって当たり外れが多いようでした。
血液を拭き取ったりすることに抵抗がない方でないと、滅菌業務の仕事を続けるのは難しいかもしれません。
滅菌業務のバイトは危険?きついの?
滅菌業務のアルバイトは、力仕事ではないので、体力的にきついということはないでしょう。
ただ慣れるまでは、器具や床についた血をキレイにすることに、抵抗がある人も多いようです。
感染症の危険について心配しているという人もいますが、マニュアル通りに作業していれば、基本的に心配はないでしょう。
しかし、人がおこなう作業ですから、何らかのミスはおこる可能性があります。
使用済みの針が刺さったり、飛び散った血に直接触れてしまい感染してしまうことも考えられるため、絶対に安全ということはありません。
心配性な人にとっては、精神的な負担が大きく、「きつい仕事」と感じる可能性があるでしょう。
滅菌業務のアルバイトはどういう人に向いている?
滅菌業務のアルバイトがおすすめな人は以下の通りです。
・細かい作業が得意な人
・チームで協力して働ける人
・医療関係の仕事に携わりたい人
詳しく説明していきます。
細かい作業が得意な人
滅菌業務では、細かい作業を的確におこなう必要があります。
作業の一つひとつに細かい決まりがあるので、マニュアル通りに正確に進めることが重要です。
適切な対応がされていなければ事故や感染症などの危険があるため、とても危険です。
細かいことを覚えたり作業するのが苦手な人に、滅菌業務のアルバイトは向かないでしょう。
一つひとつの作業を、丁寧に決まり事を守っておこなえる人に向いている仕事です。
チームで協力して働ける人
滅菌業務のアルバイトは、1人でおこなうのではなく、数人でチームとしての作業が必要です。
たとえば、器材をキレイにする担当、床をふき取る担当、モップや掃除機をかける担当などに分かれて作業をおこないます。
自分の担当ヶ所の作業が遅ければ周りに迷惑がかかりますし、担当ヶ所が適切に処理されていなければ、チーム全体のミスとなります。
1人が自分勝手な言動をしたり無責任な行動をとることで、全体の士気を下げ、作業効率を下げることにもなりかねません。
滅菌業務のアルバイトは、協調性があり、チームで協力して働ける人におすすめです。
医療関係の仕事に携わりたい人
医療に携わる仕事といえば、医師・看護師・薬剤師・医療事務などさまざまですが、どれも資格や経験が必要な仕事です。
滅菌業務のアルバイトなら、特別な資格や経験がなくても働けます。
医療に関わる仕事につきたいと考えているのであれば、滅菌業務のアルバイトをしながら、資格を取得する勉強をしてもよいでしょう。
医療に関わるアルバイトをしながら、進みたい道への勉強もできるので、医療関係の仕事に携わりたい人におすすめです。
滅菌業務の志望動機は?例文をご紹介
滅菌業務の仕事は、医療に関わる仕事でありながら未経験者でも働きやすく、時給も高めに設定されているため人気の高いバイトです。
ここでは、滅菌業務の志望動機の例文をご紹介します。働いてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
病院は私自身もよく利用しますし、親の病気の手術の付き添いの際に、たくさんの医療従事者の方たちのおかげで助けられている方がたくさんいるなと実感しました。滅菌業務の仕事は未経験ですが、医療貢献ができる仕事内容に魅力を感じたため、応募させていただきました。
責任感を持って取り組み、早く仕事を覚えて貢献させていただきたいです。 |
私は医療消耗品の検品業務の経験があります。滅菌業務の仕事は未経験ではありますが、前職の経験を通して医療を支える仕事の大切さを痛感しました。現在は、「滅菌管理士」及び「滅菌消毒業務受託責任者」の資格取得に向けて勉強中です。
医療に携わることは自分にとって大きなやりがいにもなっていますので、病院や患者さん、皆さんに貢献できるよう頑張りたいと思います。 |
病院受付が未経験の場合は、正直に未経験であることを延べ、滅菌業務のバイトを始めようと思った理由を簡潔に述べると良いでしょう。
滅菌業務のバイトを経験したことがあったり、前職が違う業種の場でも、前職の経験から得たスキルをアピールしてどのように滅菌業務のバイトに活かしていくのかを述べるのがおすすめです。
滅菌業務のアルバイトを探すなら?
本項目では「実際に滅菌業務のバイトに応募したい」と考える方におすすめの求人サイトを紹介します。
紹介する3つの求人サイトは、求人数が多いため滅菌業務のバイトが見つかりやすい特徴があります。
求人ボックス
求人ボックスはアルバイトはもちろん、正社員や契約社員等さまざまな雇用形態の求人を多数扱う求人サイトです。
滅菌業務のバイト求人もあり、首都圏だけでなく地方の病院での求人も見かけます。
エリア問わず滅菌業務を探せるおすすめサイトです。
Indeed
全国的に認知度が高い求人サイト。
求人数も多く、求人検索も細かく設定できるため、自分にあった滅菌業務のバイトを探すことが可能です。
また正社員の取扱も多いため、選択肢を広く設定できます。
CMで人気を博した求人サイトです。しかし人気の理由は知名度だけでなく、検索方法やコラムの充実さも人気の理由でしょう。
滅菌業務のバイトを全国から探せることはもちろん、バイト応募のノウハウも併せて身につけられる求人サイトです。
滅菌業務のアルバイトの仕事内容や口コミまとめ
滅菌業務のアルバイトは、一般的には知らない人も多いマイナーな職種です。
しかし、安心・安全な医療を実現するために必要な大切な仕事でもあります。
資格や経験がなくてもできる仕事なので、未経験者でも気軽に始められますよ。
今回ご紹介した口コミからも分かるように、医療関係の仕事に興味のある人や、仲間と連携して作業することが得意な人にむいているでしょう。
ただし、「感染症が心配」「血を見るのが苦手」という人にはオススメできません。
滅菌業務のアルバイトをやってみようか迷っているのであれば、今回紹介したメリット・デメリットや口コミを参考にして検討してください。